野心的なフリーターのぼやき

23歳の高卒フリーター。日常、社会についての駄文を垂れ流します。ご訪問、ありがとうございます。

手取り2000万円でも怠けますか?

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タスケテ、タスケテ。貧乏人は永遠に貧乏人。 

 「21世紀の資本(トマ・ピケティ)」は近頃話題の本だ。私はもちろん読んでいない。しかし、読んだ人の話によると、このような内容であるらしい。戦争のない資本主義社会においては、資本の収益率>経済成長率となるため、金持ちはますます金持ちになり、金持ちと貧乏人の差は永遠に開き続ける。我々貧乏人が野生の勘で薄々気付いていたことを学問的に証明してくれたわけだ。

 ピケティは言う。それをなんとかするため、全世界で、金持ちには収入の80%の税金をかけるべし。ちなみに、あたりまえのことだけど、金持ちといえど、たとえば、その収入のうちの195万円については、現状5%の所得税しかかからない。税率というのは、収入全体ではなく、その部分にかかるからだ。

 

スポンサーの機嫌をとる読売新聞

 ところで、読売新聞は、この80%の税金に不満なようだ。読売新聞の考えでは、税率が高いと金持ちの「働く意欲をそ」ぐことになるからだ。まったく人をバカにした意見で、一般人から見れば乾いた笑いしか出てこないだろう。しかし笑ってはいけない。読売新聞もスポンサー企業の社長サマの機嫌をとるのに必死なのだ。

 

カネでしか動かない社長って・・・

 冷静になって考えてほしい。あなたが、所得税が引かれる前の年収が、1億円の社長だとしよう。所得税がひかれた後のあなたの年収は、現状なら6000万円ほどになる。住民税も引かれれば5000万円ほどか。

 税率をあげて、収入の80%ほどの税金をかけるとなると、年収1億でも税引後の手取りは2000万円ほどになる。しかし、これだけでも十分な額ではないか。普通はこんなカネ使いきれない。税率があがったから働く意欲が減るだろうか。減るとしたら、そんなヤツはそもそも社長不適格だろう。

 

日本も昔は所得税最高で75%だった!

 現在の所得税最高税率は45%だ。人によっては所得税で、収入の四割近くもっていかれることになる。現状でも金持ちはけっこう税金とられてるじゃん、と思うかもしれない。しかし、税率80%というのは歴史的に見れば普通のことなのだ。日本人がモーレツに働いていた高度成長期の所得税率は最高で75%だった。読売新聞は日本を創った人たちに怠け者とでも言いたいのだろうか。ちなみに、あのアメリカでも1960年代半ばまでは、91%

 

働く意欲の本当の源って?

 収入に人の働く意欲の源があるとしたら、それは手元に残る額そのものではなく、企業の出す報酬額それ自体ではないだろうか。たしかに、税率が高くなれば手元に残るお金は減ってしまう。しかし、企業がその人に高い報酬を出している事実はかわらない。企業が、その人に、他の人より多くの報酬を出している事実も変わらない。そしてそれは、企業がその人の労働力をそれだけ高く買っているということなのだ。普通の人は、自分の能力を高く評価されれば、それだけでもっとがんばろう、と思うものだ。もっとも、読売新聞は違うようだが・・・