野心的なフリーターのぼやき

23歳の高卒フリーター。日常、社会についての駄文を垂れ流します。ご訪問、ありがとうございます。

それでも移民を受け入れるべき理由

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移民の少ない日本はすばらしい!

  ネットの住人の多くは、移民が大嫌いなように見える。近頃フランスで、アルジェリア系移民が風刺新聞社シャルリー・エブドを襲撃した事件があった。それに対するネットの住人の反応はこんな調子だ。それ見たことか。やっぱり移民を受け入れるとろくでもないことがおこる。移民が少なくて、治安のいい日本はすばらしい。日本人はなんて民度(笑)が高いんだ。日本こそ地上の楽園だ。生きててよかった・・・

 

金持ち争わず

  しかし待ってほしい。本当に移民が多いと治安が悪くなるのだろうか。たしかに、日本でもフランスでも刑務所にいる外国生まれの人の比率は高い。しかし、ただ単に麻薬を密輸入しようとした外国人も含まれるだろうし、必ずしも移民が悪いとはいえない。

 また、移民が貧乏だから犯罪を犯しているという可能性もある。移民は、低所得の仕事についていることが多いだろう。貧しさは人を過激な行動に走らせるものだと思う。私だって、月収10万だからこんなとげとげしたブログを書いているが、もし月収が100万だったならば、世界平和を願うブログを書いているに違いない。仮に、移民が低所得の仕事についているから犯罪を犯しているとすれば、移民がいなくなっても、かわりにその仕事をすることになる純日本人が犯罪を犯すだけだろう。

 これは逆に考えれば、移民が私たちの嫌がるような低所得の仕事についてくれるということだ。これは移民のメリットと言えるだろう。しかし、移民のメリットはそれだけではない。

 

移民は、母国の「意識高い系」

 私たちはついつい、貧乏な国の住民は、全員が全員、日本のようなリッチな国に行きたがるだろうと、錯覚してしまう。日本でそこそこ恵まれた生活をしている私たちから見て、貧乏な国の住民が、悲惨な生活を送っているように見えるからだ。

 しかし、その国の住民は生まれた時から貧乏なのだ。もう貧乏に慣れている。そのまま生きていても、家族や友人に囲まれた平穏な一生を送れる。それでもあえて言語の壁など、数々の困難を乗り越え、家族や友人と離れ、海外に移民したいという人たちは、間違いなくベンチャー精神とハングリー精神にあふれた意識高い系だ。今の日本に一番必要と言われている人材ではないか。

 ネットの住民はよく、移民は生活保護を食いつぶすと言う。しかし、母国で一番ハングリー精神にあふれた存在だった移民が、夢も希望もなく漫然と生活保護で生きていくくことを選ぶだろうか。

 

移民は日本文化の敵か

 移民に反対するネット民は、こう言う。移民は日本で生まれ育っていないので、日本の文化と衝突してトラブルをおこす、と。しかし、この意見に対しては、3つ言いたいことがある。

 

クソな日本文化たち

 1つ目に、その日本文化とやらと衝突してほしい場合がある。日本独自の文化というのは、必ずしもいいものではない。たとえば、付き合い残業、サービス残業、付き合い飲み会、死人が出る軍隊的な部活動、などなど。これらは、どこにも書いていないのに、暗黙の了解とされているところが「文化」の名にふさわしい。異なる文化をもった移民が入ってくれば状況は大きく変わるだろう。たとえば、付き合い残業しない外国出身の社員がいれば、純日本人の社員も帰りやすくなるに違いない。

 

わけわかんない外人はかえって許せる

 2つ目に、衝突というのは、違う文化同士より、同じ文化同士で多くおこるものではないか。たとえば、年賀状が来なければ怒る人も、相手が外国出身であれば許すかもしれない。敬語じゃなくても外国出身なら仕方がない。相手が同じ文化で生きているからこそ、相手の1つ1つの行動にいろいろな意図を感じてしまう。年賀状を出さないのは、オレのことが嫌いだからか。敬語じゃないのは、オレをなめているからか。しかし、相手が異文化で生きる人ならば、そんな意図はないものとして、割り切れるものではないか。

 

日本マニアの外人を見よ

 3つ目に、日本の伝統文化については、むしろ救済者になる可能性もある。私は京都生まれだが、京都人は京都の寺社仏閣にあまり行っていないとからかわれた。作家塩野七生さんも、イタリア人はローマ時代の遺跡の保護に無頓着なのに、イギリス人はローマ遺跡の保護に情熱的だと言っている。人間、生まれたときからそばにあった物の文化的価値には、気付かないことが多いのではないか。日本で軽視されていた日本美術が、アメリカ人のフェノロサに救われたというのは、学校の教科書にも出てくる話だ。

 

移民は高齢社会への処方箋

 これからの日本、老人は増えていく一方で、それを支える労働人口は減っていく。それを何とかするために、産業ロボットを開発するとか、育児環境を充実させて出生率を上げるとか、いろいろな策が出されている。しかし、移民ほど確実な高齢社会の処方箋は、ないのではないか。

 

日本はたいしていい国じゃない

 これらの理由から、どう考えても日本は移民を積極的に受け入れるべきなのだ。反対する理由がない。移民に執拗に反対するネットの住人たちの頭の中をのぞいてみたいものだ。しかし何を考えているのか、だいたい見当はつく。彼らの頭の中のファンタジーでは、日本は世界中がうらやむパラダイスなのだ。おたく文化(笑)は世界中で愛され、世界中から治安と民度(爆)を褒めそやされる。自分たちはそんなパラダイスに住んでいる。ああ、なんて幸せなんだ。そんな上の立場にいる日本(=自分たち)が、下の立場にいる外国人たちを門前払いにする。この妄想は、とても心地いいのだろう。

  しかし、ネット民たちはショックで自殺してしまうかもしれないが、あえて真実を言おう。日本は客観的に見て、けっして世界にうらやましがられる立場にない。西欧の先進国の比較して、ほとんど有給がとれない労働環境サービス残業という謎の風習。一方的な転勤、セクハラ、パワハラ。未来に希望が見えない高齢社会。将来、国家破綻必須の冗談みたいな額の国債。かろうじて先進国と言えるかもしれないが、もはや一流の国ではない。

 

日本は婚活的に見れば地雷女

  婚活女で例えよう。フランスとイギリスは、リベラルな性格で懐が広い、未来ある20代後半のOL美女になるだろう。ドイツは30代中ごろだが、節約家で収入も多い女医になる。北欧諸国は、結婚後は財布を握るが、堅実に将来の、子育て、教育、老後についてしっかり考えてくれる良妻候補の美人教師だ。アメリカは、浪費もするが、バリバリ稼いでくれるカリスマ女経営者といったところか。

 日本はどうだろうか。高齢社会なので、年齢は30代前半くらいだろう。浪費家でまともに将来のことを考えておらず、1人では払いきれない借金に追われている。収入も、飛びぬけていいわけではなく、結婚後は夫を馬車馬のごとく酷使する。しかもたちの悪いことに、このバカ女はバブル期の思い出を引きずっていて、ボランティア精神で近づいてきた男たちをことごとく追い返している。まったく見苦しい。ネットの住民が大嫌いなタイプの女ではないか。しかし、これが日本の現にある姿だ。

 

くだらないプライドを捨てて、攻めの姿勢に出ろ!

 今の日本は一応先進国だ。世界の上位として、移民先に選んでもらえる立場にある。しかし現状が、財政破綻寸前の高齢社会であることを考えれば、転落する時はもうすぐそこまで来ている。すぐに誰も見向きもしない国になってしまう。

 日本は時が味方してくれるような勝ち組ではない。攻めの姿勢に出なければならない負け組みなのだ。そして、まだ間に合う。ここはくだらないプライドを捨て去って現状をありのままに受け入れるべきなのだ。そして、リスクを恐れて守りの姿勢に出るのではなく、攻めの姿勢に出るべきだ。移民を積極的に受け入れることはその第一歩といえるだろう。